損害保険会社の営業は多くの場合、直接お客さまのところに出向いて保険契約を結ぶのではなく、実際に保険商品を販売する保険代理店への営業支援を行う「間接営業」です。代理店からの商品内容に関する問合せや契約規定の確認、引受の照会などへの対応、そして代理店を訪問して経営計画の支援や営業計画の打合せをすることなどが主な業務です。入社前に考えていた営業のイメージとは異なりましたが、次第にこの「間接営業」に奥深い面白さを感じるようになりました。それは社内外の信用を形成していくコミュニケーターという役割の楽しさです。信用とは数字で示せるものではなく、誠実な仕事への取組みや姿勢などを通して、長年かけて積み上げられる周囲からの評価です。高い信用があってこそ、社内外の人々が互いに支援し合い、目標に向けて協力してくれるのです。それが間接営業の魅力であり、また厳しさでもあると私は考えています。

損害保険は損害が生じて初めてその重要性を認識することが多いため、お客さまにとって交換価値がリアルタイムに実現しない商品です。保険金をお支払いするのは、保険契約者であるお客さまにとって異常事態の時であり、そんな時にこそ我々は心強い存在でありたいと常々思っています。また、AIGは中小企業のお客さまが多いため、お客さまが通常向き合っているのは、直接保険商品でカバーされるとは限らない戦略リスクや財務リスクといったビジネスリスクでもあるという認識に立つことも重要です。より一層お客さまに寄り添うためには、経営戦略やファイナンス、会計といった専門分野についてもより深い知識を習得することが大切だと考えています。

損害保険会社に身を置く立場だからこそ、正しいリスクマネジメントの理解と実践支援が必要だと考えています。リスクマネジメントはお客さまが実践されるものであり、我々にできるのはその支援だけです。こうした考え方に立つと、お客さまのビジネスやそのリスクを理解する、ビジネスパーソンとしての高いスキルが必要であることを痛感します。お客さま、代理店から「AIGの社員は頼れるな!」と思われるよう、日頃から高い意識を持ってチャレンジしたいと思っています。

※記事内容及び社員の所属は取材当時のものです。